【シリーズ:病院長の植物園(第9回)】ケイトウ
2022.10.03
長かった第7波がどうやら終息しつつあるようです。
これほど感染状況がつづくと、コロナが日常に取り込まれていくような気になります。
みなさん方のまわりにも、感染したり濃厚接触者として隔離生活を余儀なくされた人が、
ぽつぽつといらっしゃるのではないでしょうか。コロナとヒトが同居生活を始めている。
そんなことを考えてしまう今日この頃です。
さて10月に入って、風の中に涼しさを感じるようになりました。
病院の庭には曼殊沙華が咲いていますし、町には、いろいろな秋の花が見られます。
子供のころ、鶏頭(ケイトウ)の花を知りました。姉の家に咲いていたのです。
花の形がニワトリのトサカに似ているので、鶏頭というのだと教わりました。
そのニワトリの頭の部分をほぐすと、大量の種がとれます。まっ黒でごく小さな種です。
それを小さな鉢にまいておくと、ごく小さな鶏頭が、ごく小さな花を咲かせます。
その姿は誰が見ても可愛らしいので、ぜひ試してみられてはいかがですか?
写真の鶏頭は、そのあたりに咲いている普通のケイトウの種を植えたものです。
草丈10cmほどのケイトウが、七、八本もあるでしょうか。これ以上は大きくなりません。
ケイトウは私の誕生花(9月5日)なので、特別な思い入れがあります。
花言葉は、おしゃれ、気取り、風変わり。果たして当たっているやらいないやら。
これからつるべ落としに秋がやってきます。衣替えは済んでいますか?
第7波が落ちついているうちに、短い秋を楽しみましょう。
鶏頭の十四五本もありぬべし 子規