呼吸器外科
■特徴・方針等
佐世保市総合医療センター呼吸器外科では、肺癌を中心として、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、その他の悪性疾患にたいする外科治療を2名のスタッフ医師と専攻医で行っています。県北地区における唯一の呼吸器外科専門医制度基幹施設であり、呼吸器外科手術に対する安全性、手術手技の確立、若手医師の教育を日々行っています。手術数は2021年度の手術総数が153件でそのうち原発性肺癌が99件となっています。手術を受けた患者さんが、術後自宅での日常生活や、職場復帰することを目指し日々努力しています。
■診療について
呼吸器外科で行われる手術術式の半数以上を占める肺葉切除は、肋骨や筋肉を切らずに行う胸腔鏡補助下手術で行っています。この術式は安全性、根治性、痛みの少なさを兼ね備えた術式で、全国の呼吸器外科認定施設で行われる術式の大半を占める、低侵襲で安全性の高い手術術式です。術後の在院期間も少なくて済み、一般的に手術してから5~8日で退院することが可能となっています。更なる低侵襲手術を目指して2022年6月からはロボット支援下肺切除も開始しました。手術手技や術中の操作については、2008年から2021年の14年間での術後30日死亡症例を認めず、しっかりとした安全性が確保されています。手術後の傷の痛みが多少ありますが、退院後には、また元気に日常生活を健康的に過ごしていくことや、就業されているかたは職場への復帰が可能と考えています。
局所進行肺癌にたいしても、呼吸器内科、放射線科、病理検査部とともにカンファランスを行い連携していくことで、集学的治療(外科的治療に化学療法や放射線治療を組み合わせた治療)を行い長期生存できる症例が確実に増えてきています。
■取り扱う主な疾患
・肺癌 ・気胸 ・転移性肺腫瘍 ・膿胸 ・縦隔腫瘍 ・胸部外傷 など |
■主な診断・治療法
・肺癌に対する胸腔鏡補助下の肺切除術 ・気胸に対する胸腔鏡下手術 ・胸壁・肺尖部浸潤肺癌などの拡大手術 |
■実績
<診療実績(手術件数等)>
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | ||
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原発性肺癌 | 84件 | 102件 | 106件 | 107件 | 99件 | |
転移性肺腫瘍 | 10件 | 14件 | 9件 | 16件 | 18件 | |
縦隔腫瘍 | 2件 | 11件 | 10件 | 6件 | 3件 | |
気胸・気腫性肺嚢胞 | 23件 | 14件 | 1件 | 21件 | 16件 | |
手術総数 | 157件 | 162件 | 169件 | 168件 | 153件 |