〒857-8511 長崎県佐世保市平瀬町9-3
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消化器外科

■特徴・方針等

消化器外科では主に悪性疾患では胃癌、大腸癌(大腸腫瘍)、肝癌(原発性、続発性)、胆道癌、膵癌、膵嚢胞性腫瘍、消化管GISTを、良性疾患では胆石症、ヘルニア、虫垂炎などに対して手術を行っています。食道癌に対しては長崎大学病院と連携して、化学療法や放射線治療を組み合わせた集学的治療と手術を協力して行っています。基本的には、上部消化管、下部消化管、肝胆膵領域の各領域において内視鏡外科の技術認定医を1名ずつ擁し、それぞれの専門性を発揮して診療を行っています。

胃癌に対しては、基本的に胃癌治療ガイドラインを遵守し治療に当たっています。早期胃癌の治療には内科的に施行される内視鏡的粘膜切除術(EMR)または内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)と胃切除(縮小手術)が適応されています。当院では平成18年より早期胃癌に対しては“腹腔鏡手術”を導入し施行してきています。内視鏡手術の利点は、ひとつひとつの傷を小さくすることで術後の疼痛も少なく創痕も目立ちにくくなります。創が小さくなると操作性に問題が出てきそうに想像されるかもしれませんが、創が小さいからと言って癌の根治性は損なわれません。手術後の症例や術前の進行症例に対しては、積極的に化学療法を導入しています。術前の化学療法導入により切除できなかったものが切除できるようになったり、根治性が上昇したりする可能性があります。

大腸癌(大腸腫瘍)に対しても大腸癌治療ガイドラインを遵守し治療しています。症例数は九州でも1,2位を争うほど多い施設の一つです。当院ではいち早く2003年より腹腔鏡手術を取り入れ治療に当たり、治療成績も開腹手術と遜色ない結果を得ています。胃癌と同様に創が小さいため術後疼痛も少なく術後回復が早いのが特徴です。2009年までは腹腔鏡の比率は20%程度でしたが、2010年より約60%弱が腹腔鏡手術で行われるようになってきており、2018年では89.8%まで増加してきており、標準手術となっています。また、直腸の早期癌や直腸カルチノイドや腺腫などについては、経肛門操作で病巣を切除する術式を選択して行っています。また、肛門管癌に対しては放射線化学療法による治療を行っており、良好な治療成績を残しています。長崎大学及びその関連病院のデータを用いた解析では、単孔式手術(SILS: Single Incision Laparoscopic Surgery)の方が従来の腹腔鏡下結腸切除術に比べ出血量が有意に少なく、在院日数が短縮していたため、当院においても結腸癌に対してSILSを導入し、より患者にとって侵襲の少ない手術を行っていく方針です。また、肛門近傍の直腸癌は、当院の傾向として、狭骨盤の男性症例・肥満症例・腫瘍が大きな症例など、難易度の高い症例が増加している。これらの症例について、腹腔側と肛門側から2チームで手術を行う経肛門的直腸間膜切除術(TaTME; Transanal total mesorectal excision)を導入し、手術時間を短縮させるだけでなく、癌の根治性を損なわず肛門機能を温存し、医療の質の担保と患者のQOLの向上の両立ができるような取り組みを行っています。
最近の大腸癌の化学療法の変遷はめざましく日進月歩の状態です。当院では最新の抗腫瘍薬を駆使した集学的治療を積極的に施行しています。分子標的治療(抗EGFR抗体や抗VEGF抗体など)を取り入れ、右側結腸には抗VEGF抗体、左側結腸には抗EGFR抗体をメインに使用し治療に当たっています。

肝癌には原発性肝細胞癌と転移性肝癌がありますが、基本的に手術を施行しています。患者さんの状態によりますが基本的に系統的切除を心掛けています。最近は手術器具の進歩もあり、肝胆膵領域でも腹腔鏡下手術が行われるようになりました。腹腔鏡下肝切除も部分切除から系統切除まで様々な切除を行われます。腹腔鏡下の系統切除は施設基準を満たす必要があります。当院はその基準を満たしており、腹腔鏡下の系統切除が行える施設です。腹腔鏡手術は上部・下部消化管手術と同様で、傷が小さく低侵襲な治療です。手術後の回復も早いのが特徴です。大量肝切除においても可能なものは腹腔鏡下切除を取り入れており、患者さんにとっては身体に優しい治療となっています。手術困難例などに対してはラジオ波焼灼術も施行しています。通常は経皮的に焼灼するところですが、肝表面にあったりなどして経皮的には困難症例では開腹し焼灼しています。その他、肝内胆管癌、肝嚢胞腺癌などの手術も施行しています。

膵癌に関しては、術前の進展度評価をしっかり行い切除可能病変、切除境界病変、非切除病変などの判断を行い、時には手術前に化学療法を導入し切除を行ったりもしています。膵頭部に病変がある場合は、膵頭部と十二指腸を切除する“膵頭十二指腸切除術”が基本術式となります。膵液瘻(膵臓と空腸吻合からの膵臓の消化液の漏れ)が一番の合併症となりますが、当院では膵管空腸粘膜連続吻合を行っており良好な治療成績を収めています。

胆道癌、膵嚢胞性腫瘍でも基本的に手術を施行しています。いずれも術前の診断(進展度評価や質的診断など)が重要となってきます。当院では超音波内視鏡(消化器内科施行)で評価を厳密に行い、治療方針を決定するようにしています。胆道癌は肝門部領域胆管と遠位側胆管とに分類され、肝門部領域胆管癌に対しては肝切除を中心に行い、遠位側胆管癌には膵頭十二指腸切除術を行います。時に進展範囲が広範囲となる場合などは肝切除+膵頭十二指腸切除を併施する場合もあります。

良性疾患では胆石症に対して腹腔鏡手術を年間80-90例施行しています。ヘルニアに関しても腹腔鏡下に手術することが増えてきています。tension free methodとしてdirect Kugel method やultrapro hernia system法などを用い創痛が少なくなるように心掛けています。また急性腹症としての消化管穿孔は緊急手術を行うことが多く、特に大腸穿孔などは手術のみだけでなく、術後の就学的治療が患者さんの生命に影響を与えます。当院では集中治療専門医が在籍していますので、協力して集学的治療に当たっています。急性虫垂炎や腸閉塞に対しては状態を評価して治療方針の判断をしています。急性虫垂炎は、従来はいきなり手術することが多かったですが、現在は状態によっては、一旦抗生剤を使用し薬物療法で状態コントロールしてからの手術を行ったりもしています。

■診療体制

外科の診療体制は、消化器、呼吸器、乳腺・内分泌、小児の疾患に対して専門医が担当する体制を取っております。
消化器を角田外科管理診療部長、荒木部長、村上医長、若田医長、濱田医長、呼吸器・縦隔を中村副院長、森野部長、乳腺・内分泌を馬場医長、外科一般を稲村医長、松本副医長、白石副医長、藤田副医長、小児外科を稲村医長で担当しております。その他、小児外科領域は月に1~2回長崎大学腫瘍外科・小児外科グループ山根医師による診察を行っております。

■実績

 

  肝胆膵外科3年間の手術症例数偏移

2017/1月~12月 2018/1月~12月 2019/1月~5月
膵頭十二指腸切除術 19 20 12
膵体尾部切除(腹腔鏡) 5(0) 12(8) 5(4)
膵全摘術 0 0 1
高難度肝切除(腹腔鏡) 5(1) 11(4) 10(0)
肝切除(腹腔鏡) 26(11) 37(25) 23(13)
膵肝同時切除 0 0 2
胆嚢悪性腫瘍手術 6 4 3
合計症例数 46 73 45

■施設認定

当院は癌診療連携拠点病院に指定されており、外科における各学会の認定、指定施設は以下の通りです。従って当院外科で研修することで、各学会の認定医を取得することが可能になります。

認定・指定施設一覧
・日本外科学会専門医制度修練施設
・日本消化器外科学会専門医修練施設
・呼吸器外科専門医合同委員会認定修練基幹施設
・日本乳腺学会認定医専門医制度認定施設
・日本消化器病学会認定医制度認定施設
・日本消化器内視鏡学会認定指導施設
・日本がん治療認定医機構認定研修施設
・救急科専門医指定施設

 

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