救命救急センター
平尾救命救急センター長 あいさつ
令和5年7月より救命救急センター長を拝命いたしました平尾朋仁と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
当センターは2014年4月に開設された長崎県で3番目の救命救急センターで、県北地域唯一の三次救急医療施設となります。佐世保・県北地域のみならず、西海市や川棚町、波佐見町、佐賀県伊万里市や有田町も含め、年間約6,000例の救急患者を受け入れております。
当センターにおける私の使命は以下の三つと考えております。第一に院内の救急診療体制を充実させるべく、各診療科や多職種どうしの連携を強固にして患者さんの救命・回復のために全力を尽くすこと、第二に佐世保・県北医療圏における救急医療システムの中核となり、他医療施設や行政・消防と協力し地域の救急診療体制を発展させること、第三に医学生や研修医・修練医、さらには看護師、救急救命士など今後の医療を担う人材を育成する学びの場を提供することです。とくに救急医療に関する多職種への教育は、地域の救急医療の中核を担う当施設において重要な責務と考えており、現在様々な教育機関からの実習生を積極的に受け入れております。
さて、近年では医療現場の慢性的なマンパワー不足のみならず、医師の働き方改革にともなう労働時間短縮への取り組みも加わり、救急医療体制維持への強い懸念が全国的に指摘されております。このような事情は当院ももちろん例外でなく、この課題への取り組みの一環として当院は、病院救急救命士の正規雇用を開始しました。令和3年10月の救急救命士法の改正により救急救命士は病院内でも救急救命処置を実施することが可能となりましたが、当院は新たな医療の担い手としてこの救急救命士へ大きな期待を寄せており、長崎県内の他施設に先駆けて病院救急救命士の積極的な採用を行っています。現在5名の救急救命士が在籍しており、院内の新しい医療プロフェッショナルとして、またタスクシェア・タスクシフトの重要な担い手として、診療のみならず病院救急車による患者搬送や心肺蘇生法研修、災害医療など様々な場面で活躍中です。今年で開設10年目のまだ若い救命救急センターですが、救急の最後の砦として地域の皆様へより安心・安全な医療を提供できるよう、病院一丸となってとり組んでまいります。