〒857-8511 長崎県佐世保市平瀬町9-3
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血管造影部門

血管造影検査とIVRについて

先天性心疾患、血管性病変(動脈瘤・静脈瘤・動静脈奇形・動脈硬化、あるいは 血栓症による血管の狭窄および閉塞など)の診断や、 脳、肺、肝臓、腎臓および四肢などの腫瘤性病変の診断などを目的に行われています。
近年では診断のみではなく、血管の狭窄部位を拡げる血管拡張術、 腫瘍を栄養する動脈、血管奇形による漏孔を人為的に詰める動脈閉塞術などを行っています。

当院の血管造影装置

【血管造影室1】

【血管造影室2】

【血管造影室3】

検査方法

股関節付近にある大腿動脈(静脈)、あるいは腕の動脈(静脈)に針を刺し、選択的に特定の血管のみに造影剤を注入して撮影を行います。

つらい検査なの?

検査時には、カテーテルを皮膚から皮下組織を通過させて血管内に挿入しますが、検査時の痛みはこの麻酔の注射の痛みだけで、ほかに苦痛は殆どありません。検査後の安静は数時間必要です

 

血管造影検査手技を利用した治療法について

(A)血管拡張術

動脈硬化などにより血管が狭窄、あるいは閉塞した場合に行われる治療方法です。 カテーテルの先に風船を付けた、バルーンカテーテルと呼ばれる特殊なカテーテルを使用します。 カテーテルの風船部分を血管の狭窄部位に運び、そこで風船を脹らませて狭くなった血管を拡げます。その後、拡げた血管に対してステントという網目状の金属の管を挿入して、再狭窄しにくくします。 心臓の筋肉に栄養を送る冠動脈の狭窄(狭心症)に対し、この治療法が特に多く行われています。

(B)末梢血管治療

末梢血管治療(Endovascular Therapy)は末梢血管の狭窄部位に対し、バルーン(風船)やステント(金網の筒)を用いて広げる治療法です。

(C)カテーテルアブレーション治療

カテーテルアブレーション治療とは、不整脈治療のひとつで、カテーテルという細い管を血管から心臓に入れて、不整脈の原因となる部分(電気回路)を焼灼し、遮断します。心臓の正常なリズムを取り戻す治療です。

 

(D)ステントグラフト内挿術

ステントグラフト内挿術とは、胸腹部大動脈瘤に対して行う治療です(血管内治療)。ステントグラフトを留置する部位によって、胸部大動脈であればTEVAR(thoracic endo vascular aortic repair)、腹部大動脈瘤であればEVAR(endo vascular aortic repair)と呼ばれます。この治療では、動脈瘤の増大や破裂を防ぐことができます。また従来の開胸、開腹による人工血管置換術と比べ身体への負担を少なく治療が行えます。

(E)血栓回収療法

超急性期脳梗塞に対して、閉塞した脳の動脈に対して、血栓を回収できるデバイスを用いて回収し、再開通させるために行う血管内治療です。

 

(F)血管内コイル塞栓

血管内に金属コイル、ゼラチンスポンジ等の血流を遮断する物質をカテーテルに通して挿入し、そこから先の血流を遮断する治療法です。 脳外科では、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術や消化菅などの出血血管、腫瘤を栄養している血管、動脈瘤を塞栓します。

 

(G)頭蓋内動脈ステント治療(脳動脈瘤治療用Flow Diverter)

穿通枝近位にできた動脈瘤や巨大動脈瘤といったコイル塞栓や開頭クリップ術が今まで困難であった動脈瘤に対して、細かいメッシュ構造のステントを動脈瘤部に留置し、必要な血流量を確保しながら動脈瘤部に流入する血液量を低下させ血栓化を促します。ステントを留置した後、数か月かけて動脈瘤を消退せしめる治療である。

 

(H)肝動脈化学塞栓術

肝動脈化学塞栓術(TACE)とは肝細胞癌に対して、動脈血で栄養されている腫瘍だけに対して、カテーテルを選択的に挿入して塞栓物質やを抗がん剤を投与し、治療を行う方法である。これにより正常な肝細胞に対する影響を最小限にして、肝細胞癌のみを選択的に虚血・壊死させることが可能になる。

 

(I)経皮経肝門脈塞栓術

経皮経肝門脈塞栓術(PTPE:Percutaneuous Transhepatic Portal vein Embolization)は術後の肝不全を予防するものである。術前門脈塞栓術は、拡大肝切除術の数週間前に切除予定葉の門脈を塞栓して非切除葉を肥大させます。

 

(J)シャントPTA

シャントPTAとはシャント血管に狭窄や閉塞が起きた際、先端に風船(バルーン)のついたカテーテルをシャント内の狭くなった部分まで進めて、バルーンを膨らませることで狭窄部を拡張する治療法である。

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