脳神経外科
■特徴・方針等
あらゆる脳卒中患者に迅速な対応ができる高次脳卒中センターとして、超急性期~急性期脳卒中診療を行っています。
脳腫瘍においては、最新の知見に添って手術による腫瘍摘出、定位的放射線治療(ライナックラジオサージャリ―)、放射線治療、化学療法の治療を行っています。また、新しい治療法として電場療法にも取り組んでいます。
脳ドックなどで未破裂脳動脈瘤や頸部頸動脈狭窄症が偶然に発見された方が増えています。治療方針について、最新の治療ガイドラインや臨床研究とともに、コンサルトを受けています。
■診療科の概要
開頭による顕微鏡下手術、血管内治療、放射線治療など各種治療法に精通したスタッフを揃え、広く脳神経外科診療に当たっています。
・脳卒中:高次脳卒中センターとして、腎不全や心疾患など多くのリスクを有する方、妊産婦や小児の脳卒中にも24時間対応しています。脳卒中専門医、血管内治療専門医が常に最も適切な手法を選択・組み合わせ治療を行っています。脳梗塞超急性期の血栓回収術が常時可能な診療体系をとっています。
・脳腫瘍:覚醒下手術、各種神経機能のモニター下手術など機能温存を目指した手術に取り組んでいます。またより良好な予後を得るため、手術での腫瘍摘出、放射線治療(定位的放射線治療)、化学療法の最適な組み合わせを常に検討し、治療を行っています。
■取り扱う主な疾患
・脳血管障害(くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞、未破裂脳動脈瘤、脳動静脈奇形、内頸動脈狭窄症、もやもや病、その他)
・脳腫瘍(神経膠腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫、聴神経腫瘍、その他)
・頭部外傷
・機能的脳神経外科(顔面けいれん、三叉神経痛)
・脊椎骨髄外科(脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、脊椎管狭窄症、後縦靱帯骨化症、その他)
■主な診断・治療法
・未破裂脳動脈瘤や無症候性脳主幹動脈狭窄の診断
・手術(覚醒下手術、各種神経機能のモニター下手術など)
・放射線療法(定位的照射(ライナック・ラジオサージャリー)
・診断機器
1.5TMRI(2台)、320列ヘリカルCT(2台)、64列ヘリカルCT(1台)、脳血流検査装置(SPECT)、頸動脈エコー、脳波計、誘発電位測定装置、継頭蓋ドプラー装置など
・治療機器
定位放射線治療装置(ライナックラジオサージャリ―)、手術用ナビゲーション装置(ブレインラボ)、神経内視鏡(エンドアームを含む)、MRI対応定位脳手術装置など
■実績
<診療実績>
手術(単位:例)
2021年 | 2022年 | 2023年 | ||
---|---|---|---|---|
脳腫瘍 | 24 | 17 | 21 | |
脳動脈瘤クリッピング術 | ||||
破裂 | 4 | 3 | 1 | |
未破裂 | 6 | 5 | 6 | |
内頚動脈内膜剥離術 | 3 | 2 | 1 | |
バイパス術 | 4 | 2 | 1 | |
特発性脳内出血 | ||||
開頭血腫除去 | 4 | 7 | 5 | |
定位手術・内視鏡手術 | 2 | 0 | 0 | |
穿頭脳室ドレナージ | 0 | 0 | 3 | |
外傷 | ||||
急性硬膜外血腫 | 2 | 1 | 4 | |
急性硬膜下血腫 | 11 | 5 | 8 | |
慢性硬膜下血腫 | 42 | 46 | 32 | |
水頭症 | ||||
脳室腹腔シャント術 | 13 | 11 | 8 | |
腰椎腹腔シャント | 9 | 1 | 3 | |
脳室心房シャント | 0 | 0 | 0 | |
脊椎・脊髄腫瘍摘出術 | 0 | 0 | 2 | |
その他 | 36 | 25 | 40 |
カテーテル治療(単位:例)
2021年 | 2022年 | 2023年 | ||
---|---|---|---|---|
脳動脈瘤コイル塞栓術 | ||||
破裂 | 14 | 14 | 10 | |
未破裂 | 10 | 5 | 4 | |
閉塞性血管障害 | 17 | 15 | 22 | |
(うち血栓回収術) | 12 | 7 | 14 | |
(うちステント留置術) | 4 | 8 | 6 | |
硬膜動静脈奇形 | 7 | 2 | 3 | |
脳動静脈奇形 | 0 | 0 | 0 |